皆さま、こんにちは。事案分析と解決の設計士、シバケンこと柴田建一です。
2026年4月、福岡の街は爽やかな新緑に包まれています。人生の第4クォーターを歩む63歳の私ですが、現場を守るための情熱だけは、37年間にわたる警察官としての経験を経て、今も現役バリバリの自負を持っております。
本日は、社会に大きな衝撃を与えた「東京大学医学部附属病院」の教授らによる贈収賄事件を題材に、組織ガバナンスの本質についてお話ししたいと思います。この事件は、私の刑事時代の「内定捜査」の経験と照らし合わせても、非常に示唆に富む内容を含んでいます。
【1】「密室」の壁を崩すことの難しさ ― 病院捜査の現場から
警察官として37年間、福岡の安全を守り、最後は戸畑警察署長として定年を迎えた私にとって、病院という巨大組織へのアプローチは、知能犯罪捜査の中でも最高難易度の仕事の一つでした。
贈収賄事件は、渡す側と受け取る側の「一対一」の関係で完結する密室の犯行です。証拠が表に出にくいのが特性です。さらに、大学病院という「聖域」は強固な階層構造があり、内部の実態を把握することは極めて困難です。まさに、情報のブラックボックスのような存在でした。
【2】「破綻した約束」がこじ開けた扉 ― 民事紛争がもたらした真実
では、なぜ今回、最高学府の権威が警察の手に落ちることになったのか。そこには、刑事としての私の感覚からも非常に説得力のある「綻び」がありました。
それは、事業者と教授側との間に発生した「民事裁判(紛争)」です。
通常、不適切な利益供与の関係は、双方が利益を享受している間は表に出ません。しかし本件では、期待していた医療機器の採用が進まず、約束が反故にされたことで事業者が憤り、訴訟を提起しました。 密室の真実が、裁判という公の場での主張として「向こうから飛び出してきた」瞬間です。紛争が可視化されたことで、警察は特定の人物同士の「不適切な距離感」を確実に掴むことができたのです。
【3】「接待のルール」を覚える前に、大切なことがある
今回の事件を受けて、「倫理観の境界線」を学ばなければならないという論調が多く見受けられます。確かにルールを知ることは大切ですが、私は技術的な知識を詰め込むことよりも、もっと根源的な部分に目を向けるべきだと考えています。
どれほど精緻な「ガイドライン」を作ったとしても、それはあくまで表面的な技術に過ぎません。その下にしっかりとした「土台」がなければ、再発防止は決して図れないのです。
【4】真の土台は「謙虚さ」と「双方向の敬意」
私が考える再発防止の真の土台とは、人間関係のあり方そのものと、風通しの良い組織作りです。医療は、医師、看護師、技師、事務、そして外部のメーカーなど、あらゆる立場の人が連携して成り立ちます。
今回の事件の背景には、頂点に立つ者が、支えてくれるパートナーや周囲への「謙虚さ」を失ってしまったという事実があるのではないでしょうか。
これからの時代に求められるのは、一方向ではなく「双方向」のコミュニケーションです。権力で押し通すのではなく、お互いが相手を尊重し、意見を交わし合える「風通しの良さ」こそが、不正の芽を摘む最高の安全装置になります。
【5】地域の命を守る皆さまへの「正義」のバトン
私は警察人生を通じ、「地域の安全を守る」という思いで職務を全うしてまいりました。今、第2の人生として、医療業界の皆さまをサポートすることに新たな使命を感じています。
現場に立つすべての人が、不当な圧力に惑わされることなく、お互いを敬いながら誇りを持って職務に専念できること。私の事案分析の知見は、そのためにあります。
■結びに代えて
今回の逮捕劇は、私たちに「どれほど立派な肩書きを持っていても、謙虚さを忘れた瞬間に足元を掬われる」という厳しい教訓を突きつけています。
「安心(あんしん)」な現場を、皆さまと共に「安進(あんしん)」……つまり、安らかに、一歩ずつ未来へ進んでいけるように。
これからも「福岡医療カスハラ研究所」を通じ、皆さまの傍らで全力で並走してまいります。共に、最高に安全で安心な現場を創り上げていきましょう。
ワンダフル!な未来を、共に設計していきましょう。
【ご相談・お問い合わせ】 「組織のコンプライアンス体制を再点検したい」「風通しの良い組織作りのための研修を検討している」など、どのようなことでもお気軽にご相談ください。 具体的なケースでお困りの方は、「柴田ガバナンス研究所」公式ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡をお待ちしております。元警察署長としての実戦的な知見をもって、全力で皆さまの後ろ盾となります。
事案分析と解決の設計士 柴田 建一(シバケン)
